106<ルゲイエボーグ>
「爆発とかそんな事より、ちょいと聞いてくれよ。流れとあんま関係ないけどさ。
このあいだ、近くの魔導アーマー乗ったんです。魔導アーマー。
そしたらなんかボタンがめちゃくちゃいっぱいで押すの決めれないんです。
で、押したボタンよく見たらなんか、自爆ボタン、とか書いてあるんです。
もうね、アホかと。馬鹿かと。
お前らな、自爆ボタン如きでレーべの村に吹っ飛んでんじゃねーよ、ボケが。
自爆ボタンだよ、自爆ボタン。
なんかルゲイエボーグとかになってるし。一人で殺戮か。おめでてーな。
「よく生きてたわね。私。」、とか隣で言ってるの。もう見てらんない。
お前らな、ビームで攻撃してやるからこっちに来いよ。
勝者一人のレースってのはな、もっと殺伐としてるべきなんだよ。
キーアイテムの向かいに立っている奴といつ喧嘩が始まってもおかしくない、
刺すか刺されるか、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。女子供は、すっこんでろ。
で、失格処分と思ったら、誰も死んでない、とかなってるんです。
そこでまたぶち切れですよ。
あのな、ベタな展開なんてきょうび流行んねーんだよ。ボケが。
得意げな顔して何が、生き残った、だ。
お前らは本当にレースに勝ちたいのかと問いたい。問い詰めたい。小1時間問い詰めたい。
お前ら、俺のビームって受けたいだけちゃうんかと。
ビーム通の俺から言わせてもらえば今、ビーム通の間での最新流行はやっぱり、
おはようビームっ!!(@益@ .:;)ノシ 、これだね。
ふざけてるの?なんだと。これが通のやり方。
おはようビームっ!!(@益@ .:;)ノシ ってのはパワーが多めになってる。そのかわり真面目さが少なめ。これ。
で、それに相手への治療。これ最強。
しかしこれをすると次から四天王にマークされるという危険も伴う、諸刃の剣。
素人にはお薦め出来ない。
まあお前らは、逃げ惑ってなさいってこった。」
ルゲイエは正常ではなくなっていた。
【ルゲイエ(ルゲイエボーグ化) 現在位置:同上 所持品:? 行動方針:殺戮(おはようビームと相手への治療) 願い:?】
107<全力疾走>
アリアハン北の橋付近。森沿いに広い道を全力疾走している影が二つ。
1つはキーアイテム入手を目的にアリアハンへ向かっている、賢者セージ。
もう1つはピサロの治療を目的にレーベへ向かっている、ローレシア王子もょもとだった。
二つの影はどんどん近づいて行く…双方共お互いの存在に気がついてはいる。しかしどちらも身を隠すことはしない。走り続ける。
(大丈夫だ、相手は怪我人連れ。戦いを仕掛けられてもまず負けない…構わずに行こう)
(戦闘になったらヤバイ。でもあいつは…どうみても魔法に長けてる奴だろーな。う〜ん、イチかバチか)
相手はすぐそこまで来ている。もょもとは『間合いをとりつつ、交渉出来る程度の距離』を意識して立ち止まった。
10m前後の距離、セージも間合いを取って立ち止まる。
警戒の目で睨み合う。少しの間の後、
「悪いけど、急ぐので相手は出来ませんよ」
「あの、回復魔法が使えたら助けてほしいんだけど。頼めねえかな」
全く同時に、意見を述べる。
セージはその頼みに少しびっくりた様子でもょもとを見る。もょもとは警戒を緩め、申し訳なさそうに苦笑した。
「あー…お礼らしいお礼はできないけど…やっぱ、無理か?ヤバイんだこいつ、重症で」
(純粋、だな。)
こちらから見れば、相手は怪我人を背負ってレースするぐらいの人間。害意があるかどうかなんてだいたい予想できる。
しかし、こちらに害意があるかどうかはあちらからは解らないだろう。
(―でも、こういった過酷な状況ではその純粋さが命取りになるんだよ、少年。僕は急いでるから邪魔はしないけどね。)
邪魔はしない。しかし助ける気にもならなかった。正直、自分はかなり疲れている。その上急がなくてはならない。
セージはもょもとを見据え、小さな声で「悪いね」とだけ言うと再び駆け出した。
「…やっぱ、ダメっすか。」
取り残されたもょもとは苦笑する。ふぅ、と息をついて汗を拭う―気を取り直すとセージとは反対の方向、北へ再び走り出した。
数分後、夢中で走りつづけたもょもとはピサロを背負っているにも関わらず常人では考えられないような早さでレーベに辿り着いた。
ただ、へとへとになって入り口で座り込んでしまったのだが。
【もょもと{重度の疲労} 現在位置:レーベ村入り口 所持品:鋼の○金術師7巻まで、コンドーム50個
行動方針:小休止の後、道具屋へ行き薬草入手 願い:?】
【ピサロ{重症} 現在位置:同上 所持品:なし 行動方針:睡眠中 願い:?】
【セージ{軽い疲労感} 現在位置:アリアハン北 所持品:扇子
行動方針:城下町へ行きキーアイテム入手 願い:この世界(DQ)と異世界(FF)に存在する全ての呪文を習得する】
108<まともじゃない相手>
バッツは眠い頭を掻きむしった。
――また眠い、どうも最近睡眠不足だよな。
また枕の世話になるか……
そのとき、バッツは周囲から殺気を感じた。
――なに……?
すぐ近くからだ。
――なんだ……?あからさまに誰かに殺意を抱いている奴……
バッツは後ろに振り返った。
アルテマウェポンの勇者ソロが虚ろな表情で立ちつくしていた。
「おまえは……」
バッツは本能的に拳を握りしめる。
ソロの気配はより異様なものに変質した。
「ピサロ……はいるか」
「なに?」
バッツはそれが参加者の名前だということしかわからない。
「いるんなら出してもらうぞ、城の中なのか」
「いや、誰なのかわからん。ピサロってのが」
バッツはそう答えながら、内側に入り城門を即座に自力で閉めてこいつをやりすごすのは無理だ、と判断した。
「嘘をついているなら殺す……」
ソロはアルテマウェポンを振り上げた。
「おい、そりゃ失格になるだろ……」
だがソロは聞いていなかった。
――くっ、こいつはまずいぜ
明らかにまともじゃない相手、どうするべきか、バッツはいりじりと後退しながら思案する。
【バッツ 現在位置:アリアハン城門前 所持品:安眠枕 目的:レナ、ファリスに合流】
【ソロ 現在位置:アリアハン図書館跡 所持品:アルテマウェポン
行動方針:ピサロともょもとを追い、見つけ次第殺す 願い:ピサロの完全抹殺 】
109<ギルバートの葛藤>
うじうじうじうじ悩み続け。
ふらふらふらふら無防備に歩き続け。
それでも右手にはぎらぎら輝くチキンナイフがしっかりと握られているのだから何というかギルバートである。
ギルバートは悩んでいる。彼の人生において、今までこれほど悩んだことは無かっただろう。
(アンナ…僕はどうすればいい?)
心の中で問い掛けてみても当然返事が返ってくる訳も無く。
その度、自分が、音も無く消えてしまいそうな程に小さくて弱い生き物なのだと思い知らされる。
(僕は…本当は、どうすればいいかわかってる…でも怖いんだ)
アンナに会いたい。それには優勝しなくてはならない。でも自分は小さくて弱い生き物。ならば、自分が変わればいい。
今よりも強く。そう、さっき僕はなけなしの勇気をふりしぼったじゃないか。せめていつもあのぐらいの勇気を持てれば…煙い。
…。煙い?
思考と足が、同時に止まった。…何時の間にか町外れまで来ていたらしい。
(気がつかなければ良かった…)
煙い。そう、井戸から煙が上がってる。煙が上がってるってことは、この中には…
「誰か、いるん…だよね」
結論を口にした瞬間チキンナイフがまたぎらりと光った。自分でも情けなくなる程、井戸の底へと向けられる恐怖という感情。
ギルバートはおそるおそる井戸を覗いてみた。…暗くて底が見えない。
(ああ!だ、ダメだ、怖がってちゃ。誰かが狼煙で助けを呼んでいるのかもしれない!行かなくちゃ!
でも、もしも何かの罠だったら?…いいや、そんなことを考えちゃいけないんだ!アンナ!でも…)
水で濡れている井戸の端に力をこめた手を置いたまま身を乗り出し、頭をぶんぶんと振りながら悩んだ末の結果は本人の意志とは無関係であった。
つるり。
手が滑り、まっさかさま。
あまりの恐怖にあっさりと気絶したギルバート。右手に恐ろしいほどの力が漲っているナイフをしっかりと握り締めたまま。
ドサッ!
家の外から何かが落下してきた音。ネリスは勢い良くドアノブを回し、ドアを開けた。
やっと、誰かが助けに来てくれたのかとの期待を込めて。しかし、
「…大丈夫ですか?」
期待外れ。むしろ、大外れ。外ではいかにも頼りなさげな男が気絶していた。
井戸の上から落ちてきたのだろう。…出られない私が言うのもなんだけど、そこまで高い井戸でもないのだけれど。
ネリスはとりあえず男を介抱することにした。目が覚めたら…上手く行けば助けてもらえるかもしれないし。
【ギルバート(気絶) 現在位置:城下町 所持品:チキンナイフ 行動方針:気絶中 願い:アンナにもう一度会う】
【ネリス 現在位置:アリアハン井戸内部 行動方針:ギルバートが目覚めるのを待つ 願い:心臓の病気を治す
所持品:青龍偃月刀(E)力の指輪(E)神秘のビキニ(E・服の下)とげの鞭、疾風のバンダナ】
110<メモリアリーフ主人・初の敗北>
‐=≡ |\_/ ̄ ̄\_/| ←メモリアリーフ主人
‐=≡ \_| ▼ ▼ |_/
‐=≡ \ 皿 / メイドさんハァハァ ウガーーーー
‐=≡_____/ /_
‐=≡ / .__ ゛ \ .∩
‐=≡ / / / /\ \//
‐=≡ ⊂_/ / / .\_/
‐=≡ / /
‐=≡ | _|__ ,ィ^i^!1 、
‐=≡ \__ \ ,'{レ'´ ヽ} . ←マリーナ
‐=≡ / / / ! ノリノ ))〉
``) ‐=≡ // / l| |l;´Д`リ キモイヨー
`)⌒`) ‐=≡ / | / /つ{卯}つ
;;;⌒`) ‐=≡ / /レ く〈_i〉人i〉
;;⌒`)⌒`)‐=≡ (  ̄) し'@__)
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‐=≡ |\_/ ̄ ̄\_/|
‐=≡ \_|; ▼ ▼ |_/
‐=≡ \ 皿 / メイドさんハァハァ ウガーーーー
‐=≡_____/ /_
‐=≡ / .__ ゛ \ .∩
‐=≡ / / / /\ \//
‐=≡ ⊂_/ / ; / .\_/ LVUP!
‐=≡ / / LVUP!
‐=≡ | _|__ ,ィ^i^!1 、
‐=≡ \__ \ ,'{レ'´ ヽ} .
‐=≡ / / / ! ノリノ ))〉
``) ‐=≡ // / l| |l;´Д`リ キモイヨー
`)⌒`) ‐=≡ / | / /つ{卯}つ
;;;⌒`) ‐=≡ / /レ く〈_i〉人i〉
;;⌒`)⌒`)‐=≡ (  ̄) し'@__)
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‐=≡ |\_/ ̄ ̄\_/|
‐=≡ \_|; ▼ ▼ |_/
‐=≡ \; 皿 /ハァハァ ハァハァ
‐=≡_____/ /_ ハァハァ ハァハァ
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‐=≡ ⊂_/ / ; / .\_/ LV
‐=≡ / / LV
‐=≡ | _|__ ,ィ^i^!
‐=≡ \__ \ ,'{レ'´
‐=≡ / / / ! ノリノ
``) ‐=≡ // / l| |l;´
`)⌒`) ‐=≡ / | / /つ{卯
;;;⌒`) ‐=≡ / /レ く〈_i〉人
;;⌒`)⌒`)‐=≡ (  ̄) し'@__)
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| / ̄ ̄ ̄ ̄
|<よーし!キーアイテムも発表されたことだしこの宙域(?)から離脱するわよ!
| \__ 目標は逃げた同業者が向かったアリアハンよ!おくれないで!
| \(イルマ)
|i^!1 、  ̄ ̄ ̄
|'´ ヽ}
|リノ ))〉← エルマ
|l ;゚Д゚リ 先輩!
|卯}つ 目標は沈黙!激しく項垂れてます!
|〈_i〉
|
|\_/ ̄ ̄\_/| . . . .: : : ::: : :: ::::::::: :::::::::::::::::::::::::::::
\_|/:彡ミ゛ヽ;|_/、 . . .: : : :::::: :::::::::::::::::::::::::::::::::
/ :::/:: ヽ、ヽ、 ::i . .:: :.: ::: . :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
/ :::/;;: ヽ ヽ ::l . :. :. .:: : :: :: :::::::: : ::::::::::::::::::
 ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ ̄
メイド追いかけ人生
初の敗北だった。
|
|サッ
|=3
|わかりました先輩!
|
|\_/ ̄ ̄\_/|
\_|/:彡ミ゛ヽ;|_/、 そ
/ :::/:: ヽ、ヽ、 ::i .
/ :::/;;: ヽ ヽ ::l
 ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ ̄
----------------------------------------------------------------------------------------
‐=≡ |\_/ ̄ ̄\_/|
‐=≡ \_| ▼ ▼ |_/ 心も新たに
‐=≡ \ 皿 / メイドさんハァハァ ウガーーーー
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;;;⌒`) ‐=≡ / /レ
;;⌒`)⌒`)‐=≡ (  ̄)
立ち直りも早かった。
【メモリアリーフ主人 現在位置:レーベの村→アリアハンへ移動 所持品:?
行動方針:メイドをとにかく追いかける(メイドなら誰でもいい) 願い:メイド天国】
【マリーナ(パニック) 現在位置:レーベの村→アリアハンへ移動 所持品:幸せの靴 行動方針:逃げる 願い:?】
【イルマ 所持品:ロッド 現在位置:レーベの村→アリアハンへ移動 行動方針:マリーナを追いかける 願い:?】
【エルマ 所持品:アバンの書 現在位置:同上 行動方針:同上 願い:?】
111<義務>
「きゃあぁっ!」
ティナは、再び悲鳴を上げる羽目になった。
というのも、いきなり自分の目の前に人が降ってきて着地したからである。
いや、正確には人ではなかったが。
「驚かせたか、すまぬ」
竜騎士フライヤは、大分の距離を跳んできたにもかかわらず、息を切らしている様子もなく謝った。
「そなたを襲うつもりはない」
「ええ…あなたには、殺気を感じないから…」
ティナは、小さく頷いて言った。
「あなたも…レースの参加者なの…?」
「いかにも、そうじゃ」
フライヤは冷静に言った。
「滅ぼされた祖国の再建を夢見ておる」
「では、これを…使ってください。私には…必要ないですから」
ティナはそう言い、自分の持っている(中身はまだ知らなかった)小さな袋を差し出した。
人を傷つけることは、もう嫌だった。
人の血を見るたびに思い出す、自分の過去。
自分が血祭りに上げた、名前も知らぬ者たちの顔が、自分に襲って来るようで…
フライヤは一瞬嬉しそうな表情をしたが、それを抑えるようにこう言った。
「それはならぬ。そなたの持ち物じゃ」
「でも…」
「そなたが戦いを嫌い武器を持ちたくなくとも、そなたは自分の身を守る義務を持っているのじゃ」
「…」
「そなた、家族はおるか?」
フライヤに唐突に聞かれ、ティナは戸惑った。
「え、ええ…」
ティナは、子供たちを思い出していた。
「それは、そなたが傷つくことで同じように傷つく者がいる、ということなのじゃ」
「…はい」
「そなた一人の体ではない。そなたは、まずその身を守ることを考えるのじゃ」
フライヤの言葉が、ティナの心に響く。
勿論、もう人の血など見たくはない。
そして、子供たちが悲しむ姿を…
「私は行くが、しっかりと生きるのじゃ」
考え込んでいたティナに、フライヤが言った。
「あ、はい、あの…ありがとうございました…!」
ティナが言うと、フライヤは少し微笑んだような素振りを見せ、再び空高く跳躍した。
ティナは、袋を差し出す形でとまっていた自分の右手を戻し、
少し安心したように息を吐くと、また、さっきと同じように歩き出した。
袋の中身が何か、自分も知らないということさえも、ティナは忘れていた。
袋の中で、操りの輪がまた鈍く光ったことにも、彼女は気づかなかった。
【ティナ 現在位置:レーベ 所持品:操りの輪 行動方針:自己防衛 願い:子供たちの幸せ】
【フライヤ 現在位置:遠くへジャンプ中 所持品:ロンギヌス(七曜第三段階) 行動方針:アイテム探し 願い:ブルメシアの再建】
112<銅の剣>
(何だろう…この力の気配は)
武器屋に向かっていたセシル。すぐにそれらしき建物が見つかり、曲がり角を折れた…そこでただならぬ気配を感じて立ち止まった。
溢れ出すような力の気配、すぐ近くなのはわかるが場所が特定できない。
「誰かいるのか?」
少し大きな声で尋ねてみたが何処からも返事はない。セシルはひとつ溜息をつくとまた歩き出した。
殺気は微塵も感じられないし、嫌な気配でもない。放っておいても問題ないだろうという結論だった。
(それよりも急がないと。キーアイテムも探さなければならないし)
セシルは小さな武器屋のドアノブを回した。
「…!」
セシルの額に冷汗が浮ぶ。一歩店の中に入ったその瞬間、首筋にひやりと冷たい感触。
四角に潜んでいた人物がセシルの首筋に銅の剣を突きつけてきたのだ。セシルは心の中で舌打ちする。
(あっちの力に気を回してたから全然気がつかなかった…!)
セシルは動かないまま視線だけを横に向ける。…ターバンに覆面の男。こちらの目を凝視している。
「…私はできれば戦いたくはないが、もしあなたが戦うつもりなら容赦しない」
「僕も戦う気なんてありませんよ…」
相手の目を見つめながら答える、それは心の底からの言葉だった。だが信じてもらえるかどうか…
「……」
相手はこちらの目をずっと凝視している。ごくりと、セシルの喉が鳴った。そして。
「…ミンウさん、もういいんじゃないか?」
カウンターの影から現れた男の声が、沈黙を破った。
「すまない、早とちりしてしまったようだ」
ミンウがセシルに頭を下げる。そこに先程までの警戒や緊張感は無くなっていた。
「いえ、いいんですよミンウさん。警戒するのは当然ですし」
――ちょっと警戒しすぎな気もするけど。心配性なのかな、とセシルは思った。
「おい、アンタ」
クラウドがカウンター越しにセシルに声をかけ――ひょい、と鞘に収まった剣を投げてきた。
セシルはぱし、とそれを受けとる。…銅製の剣。先程首筋に突きつけられたものと同じだ。
「アンタも武器を探していたんだろ?たいした武器はなかったけどな…」
「いや、ありがとう。…それじゃあ、ミンウさんもクラウドさんも頑張って下さい。負けませんけど」
「…フン、興味ないね」
クラウドはそう言うとしゃがみこみ、再びカウンターを漁り始めた。
「もう行くのか?」
「僕には願いがありますから」
武器を手に入れるという目的を果たした。次はキーアイテムを探さなくてはならない。
「…そうか、まあ頑張るといい」
セシルはありがとう、と軽く頭を下げると2人の残る武器屋を去っていった。
「さっきの気配はなくなったみたいだな」
巨大な力…どんな参加者なんだろう。どんどん先を越されてしまうかもしれない。
「急がないと…とにかく、この街でキーアイテムを探してみよう」
セシルはあの巨大な力が少し先の井戸にいた臆病な友人、ギルバートの持つチキンナイフから溢れていたことと
気絶したことによりそれがなくなったことなど知るよしもなかった。
【セシル 現在位置:アリアハン武器屋前 所持品:銅の剣
行動方針:キーアイテム探し 願い:暗黒騎士の時に殺めてしまった人達を生き返らせる】
【クラウド(FF7) 現在位置:アリアハン武器屋 所持品:マイナスイオンドライヤー
行動方針:武器屋探索中、ティファと合流、セフィロスを追う 願い:?】
【ミンウ 現在位置:アリアハン武器屋 所持品:銅の剣、スリースターズ 行動方針:武器屋探索中 願い:?】
113<たからのにおい>
「種…ですか。」
トルネコはアリアハンの酒場二階で一階酒場から持ってきた酒をたしなんでいた。
見たこともない酒だったので持ってきたのだ。
そう、大層な価値というものではないが、一般市民にも気軽に手が届く…そんなものだった。
─話を戻して。
一般的にそういった種は各地の家の秘蔵の宝ともいえなくもない。
聞く話だと神々が力を込めたとも言われている代物だ。
だが…自分には。
トルネコは宝の匂いをかぎ始めた。
自分には「たからのにおい」がある。とかくこういったものには冴えている…
「ぬおっ!」
思わず声を上げた。鼻が詰まりそうになるほどの「におい」がトルネコの鼻を襲った。思わず鼻炎になりそうになった。
とにかく数が多い。鼻を頼りにそこまでいくと。
そこにはルイーダ秘蔵の種がこんもりとあった。
これだけあれば腹も満たされるに違いない。
何があるかわからない。余裕を持ってもって行くことにした。
【トルネコ 現在位置:アリアハン城下町西門 所持品:棍棒、皮の盾 力の種×3 賢さの種×3 素早さの種×3 スタミナの種×3 ラックの種×3
行動方針:珍しい武器を手に入れながらキーアイテム探し 願い:すべての武器を手に入れる】
114<ちょっくら>
「ふっふっふー、ラックの種〜ラックの種〜」
ニヤニヤと笑みを浮かべながら城下町を歩いているのはヘンリー。
彼は既にラックの種を一つ手に入れていた。
「落とさないようにしないとな〜、袋袋…っと」
ヘンリーは支給品袋に種を入れる。
持っていては落とすかもしれないし、狙われる可能性もある。
そう考えながら歩いていると、街の真ん中に位置する十字路に辿り着いた。
すると、何故かヘンリーは脈絡無く迷いだした。
「さぁて、どっちにしようか…」
実は彼には彼なりに考えがあった。
この状況では焦らずとも時間はあると思われる。
その場合、また種を手に入れるチャンスがつかめる可能性がある。
急ぐことも無い、と彼が考えたとき…視線の先にはあるものがあった。
「………井戸?怪しいな、あからさまに」
井戸があった。
古そうな井戸だ、水を溜めるためには使われていないのだろう。
「ちょっくら調べてみるか。よし、そうしよう」
調べるといっても、覗くくらいだけどな〜…っと付け足すように言いながら、彼は井戸へと歩いていった。
当然その中に人間が2人もいる事なんて、ヘンリーには知る由もなかったわけだが。
【ヘンリー 所持品:守りの天蓋(残り3枚)・ラックの種 現在位置:城下町→井戸へ 行動方針:井戸を覗くために接近 願い:?】
115<操りの輪>
「う、うぅ〜ん…?」
気づいたら、どこか森の中。
地面に、寝かされていた。
ティナは、どうしてここに来たのか、全く思い出せなかった。
急に恐ろしい考えが頭の中によぎり、自分の体を見る。
……大丈夫。服が乱れていることは、ない。
立ち上がろうと手を動かそうとしたが、全く動かない。
足も同じだった。
よく見ると、手足がロープのようなもので縛られている。
ティナは、必死で手足を動かそうとするが、できなかった。
「なんだ、あんまり効果は長くねぇじゃねぇか」
そう言いながら、立ち上がることのできないティナの方へ、歩いてくる影が一つ。
――男だ。
ティナは、更なる恐怖感に襲われた。
「あ…あなたは…」
ティナは、かすれた声で聞いた。
「俺か?俺は…まぁ知らなくてもいいだろうよ」
赤い髪の、軽い調子のその男は、ティナの近くに置いていた彼女の袋を持ち上げた。
その時、ティナは彼の名札をちらりと見た。…ワッカ、と書いてある。
「ちょっと、アイテムを失敬しようとしただけだぜ?そんなに震えるなよ」
ワッカは、袋の中に手を突っ込んだ。
「……なんだ、こりゃ?」
ワッカは、取り出した輪のようなものを見て、呆気にとられたような表情をした。
だが、ティナにはそれが何か、十分すぎるくらいに判った。
忘れるはずがあろうか。
私から感情を消し去った。
多くの人の命を私に奪わせた。
今でも、私に悪夢を見せる、その操りの輪が。
もう見たくもないと思っていた、その操りの輪が。
……今まで、自分の袋の中に、あったなんて。
「おっ、説明書が入ってるじゃねぇかよ…」
ワッカは、ティナの苦痛に満ちた表情に気づいていないのか、袋の中の説明書を読み上げた。
〜この輪を頭にはめられた者は、はめた者に絶対服従する〜
操りの輪の存在にショックを隠しきれないティナでさえ、
その時のワッカの表情の変化に気づかないわけにはいかなかった。
彼は、にやりと笑って見せた。
その笑いが、顔中に、広がっていく。
「こりゃぁ…いいもの手に入れたぜ」
ワッカの目が、ティナを見据えた。
「ちょうどいいじゃねぇか…実験台としてな!」
「嫌…やめて…」
ティナはほとんど泣くように懇願した。
…あの日の自分も、こんな風に泣いていたのかもしれない。
「まぁもっと強いやつを見つけたら、外してやるかもしれないけどよ」
ワッカはそう言い、クックッと笑うと、操りの輪をティナの頭に乗せようとした。
…目の前にいる男の、残忍な笑みが、似てもいないのに、あの日のケフカと重なった。
何処からか、あの甲高い笑い声が聞こえたような、気がした。
――ティナの意識は、完全に途絶えた。
「クックッ……お前はまず、キーアイテムを見つけて来い。
この杖を貸すから、邪魔する奴等は眠らせておけ。ただし、殺すなよ。」
命令するワッカの顔から、あの人懐っこさが完全に消えていた。
応えて頷いたティナの顔からは、感情の類は全て消されていた。
【ティナ(無意識) 現在位置:レーベ近くの森 所持品:操りの輪・ラリホーの杖
行動方針:ワッカに服従(キーアイテム探索) 願い:子供たちの幸せ】
【ワッカ 現在位置:レーベ近くの森 所持品:なし 行動方針:待機 願い:?】
116<またしても>
「ぐおおおおおおおーーっ!何故上手くいかないーーーーっっ!!」
アリアハン城中庭にバトラーのありったけの声が響く。その叫びに先程バトラーよりも痛い思いをしたピエールは溜息をついた。
「…やはり、サトチー様のことも」
「何を言うかーーーーーっ!」
バトラーが勢い任せにピエールをはたいた。
「へほぶっ!」
ばっしゃーん…。
ピエール、池ボチャ。
「こんなチャンスはもうないぞ!確かにサトチーも大切だ…が!俺達はそれ以前に誇り高きモンスターなんじゃぁぁぁぁ!!」
「げほっ…ム、ムチャをするな…」
「とにかく!俺様は戦いたくて仕方ねえー!お前もそうだろピエール!」
「……。」
「よし、決まりだ!さっきの奴等もスクラップだ!!」
「ちょ、引っ張るな…いででででででで!」
ピエールの沈黙を同意と取ったバトラーはピエールの手を引いて高速で城を後にした。
…が、早速難関にぶち当たる。その難関とは。
「…何だ、あの巨人のようなモンスターは…!」
西門を塞ぐ、悪霊の神アトラス。バトラーもピエールも心の底でアレには勝てない、と思った…が。
「そんなこと構ってられるか!突撃するぞピエール!」
バトラーは勇敢で命知らずで負けず嫌い。素直に引き下がろうとはせずそれに突っ込んでいった。
「お、おい!」
数秒後、やはり遥か上空を飛ばされている二人の姿があった…。
「爪楊枝、い、今のは何だ?」
『…ワシが知るか!』
アトラスとしては、突進してきたモノを軽く振り払っただけのつもりだったようだ。
【バトラー 現在位置:上空 所持品:? 行動方針:PK 願い:?】
【ピエール 現在位置:上空 所持品:なし 行動方針:PK 願い:?】
【アトラス 現在位置:アリアハン西門前 所持品:天空の剣 行動方針:あやかを待つ 願い:?】
117<トルネコは商売人>
イヤなものを見てしまった。
種を15個も手に入れて、気が緩んでしまったようだ。思わず口笛を吹いてしまった。
しまったと思ったときにはすでにモンスターの雄叫びが聞こえてきた。
当然そこから離れた。幸いにも2体のモンスター、ヘルバトラーとスライムナイトは自分には気付かず、走り去っていった。
だが、次の瞬間、ぼけ〜っと座っていたように思えたアトラスに吹っ飛ばされていたのである。
どのモンスターも知っている。アトラスとは不思議のダンジョン内で戦ったことがあるが、
相当強い盾がなければ一撃でやられてしまうほどの攻撃力を持つ者もいた。
アトラスには、レベルが高い個体ほど巨大になる、という特徴がある。目の前にいるやつはでかい。
そして、ヘルバトラーは自分が知っている限りでは、地下世界で結界を守っていて、四天王と呼ばれていた。
当然だが、自分一人で勝てる相手ではない。それがいとも簡単に吹っ飛ばされたわけで…
トルネコはくるりと向きを変えて、もう一つの出口に向かって駆け出そうとしたが、
こういうときに慌てると、ロクなことは無い。
トルネコは、でっぱりにつまづいて転んでしまい、持っていた種をぶちまけてしまった。
立ち上がって種を集めようとしていたトルネコだが、イヤな予感がして振り向いてみた。
アトラスとバッチリ目が合った。
思い切って声をかけてみた。ポポロの仲間なら何とかなるだろう。
「き、君はポポロのところのアトム、なのかな?」
「…誰?それ」
『…』
どうやら違うようだ。隙を見て逃げるしかないのだろうが、向こうはじっとこっちを見つめている。
…おや、もしかして見ているのは地面に散らばった種なのだろうか。
「あ、もしかして、これが欲しいのかな?」
「く、くれるのか?」
「もちろんですよ」
「じ、じゃあ、…え〜と、俺と、爪楊枝と、袋と、シドー様のもいるかな…?」
『…』
「それでは、4つでいいのかな?」
「そ、それ!4つ!」
「では、全部で4…いやいやいやいや、ただでいいですよ」
危ない危ない、反射的に商売をしようとしてしまった。とにかく、話が通じてよかった。
「よ、よかったな。爪楊枝」
『…』
どうもさっきから爪楊枝だの袋だの訳の分からないことを言っているが、何のことなのか…
とにかく、この場は切り抜けられたが、今さっき大量に種をバラまいた以上、うかうかしていては危険だ。
どうもこの町には血気盛んな人間が集まっているようだし。急いで離れよう。
「それでは、私はこれで…」
「じ、じゃあな。」
「な、なあ、爪楊枝、何で喋らない?」
『あの男に話すところを見られたくなかっただけじゃよ』
【アトラス 現在位置:アリアハン城下町西門 所持品:天空の剣 力の種×3 賢さの種 行動方針:あやかを待つ 願い:?】
【トルネコ 現在位置:アリアハン北 所持品:棍棒、皮の盾 賢さの種×2 素早さの種×3 スタミナの種×3 ラックの種×3
行動方針:珍しい武器を手に入れながらキーアイテム探し 願い:すべての武器を手に入れる】
118<ラッキーマリベル>
「ふふっ…ラッキー」
トルネコとアトラスのやり取り、その一部始終をすぐ近くの物陰で見ていた人物がいた。
赤毛に赤い頭巾の少女――マリベルだ。
彼女の瞼には一つ目巨人(アトラス)に気前良くキーアイテムである種を渡すももんじゃ男(トルネコ)の姿がはっきりと残されていた。
(そりゃあ、あんなにたくさん持っているんだものね。マリベル様にも譲ってもらわないと不公平よ。)
――あたしも上手く交渉して譲ってもらお。ふふっ。
一つ目巨人は何か良くわからないものと会話している。ここを通るなら今がチャンス。
マリベルはトルネコを追いかけて城下町を後にした。
【マリベル 現在位置:アリアハン西門を出たところ 所持品:アイスソード、? 行動方針:トルネコを追いかけて交渉 願い:?】
119<不幸の呪いはまだ続く…>
ティーダとカインは、地図に浮き出たイラストを見ながら歩いていた。
「『種』ねー。こんなもん、そこらへんの草に実ってるんじゃないの?」
「キーアイテムになるぐらいだから希少価値の高い植物なのだろう。
道具屋でなら売っているのではないか?」
もちろんそう簡単に手に入る代物ではないのだが、
DQ世界の住人ではない二人には知るよしもない。
「道具屋っつーと。この近くで店がありそうなところって、二箇所だけッスよ」
ティーダが地図上のポイントを示す。
「ふむ。普通に考えれば、城下町の方が品数は揃いそうなものだが」
「じゃあ、とりあえずアリアハンに行ってみるッスか」
正しい判断ではある。
だが(自覚していないが)不幸の呪いを受けているカインと、素の状態で不幸街道まっしぐらなティーダが、
そうそう簡単に種を手に入れられるはずがなかった。
「…あれ? なんか悲鳴みたいな音が聞こえないッスか?」
「そういえば……どこからだ?」
カインとティーダはきょろきょろと辺りを見回し、空を見上げる。そして、思わず目を剥いた。
何せプルプルした緑色の物体と、鎧と、ムサい髭面のオッサン顔が空から降ってきたのだから。
もちろん、二人には避ける余裕も身をかわす時間もない。
二分後。なぜか人型にぽっかりあいた穴から、二組の手が這い出た。
奇跡的に一命を取りとめていたカインとティーダである。
『何なんだ(何なんッスか)、一体……』
ボロボロの二人は、思わず一緒にため息をついた。
【バトラー(気絶) 現在位置:アリアハン北西の平原(橋と砂漠の中間辺り) 所持品:? 行動方針:PK 願い:?】
【ピエール(気絶) 現在位置:同上 所持品:なし 行動方針:PK 願い:?】
【ティーダ 現在位置:同上 所持品:なし 行動方針:支給品の代わりの道具を探す 願い:?】
【カイン 現在位置:同上 所持品:不幸の兜(装備中) 行動方針:ティーダの援護 願い:?】
120<シド・クレイマー>
「・・・スコール君はどこですかねえ」
アリアハンの周辺をきょろきょろ見回しながら歩いている中年の男が一人。
彼の名前はシド・クレイマー。特殊傭兵SeeDの育成機関であるバラムガーデンの学園長である。
そんな大層な肩書きをもつ彼は、ゲーム開始直後から自分の教え子であるスコールを探していた。
その理由の一つは彼の支給品にあった。
支給品は・・・ガンブレード。
スコール愛用の武器がシドの支給品であったため、彼は「これが無くてはスコールも不便だろう」と
わざわざ本来の持ち主に返すためにスコールを探していたのだった。
ちなみにもう一つ理由がある。
それはシド自身に願いが無いこと。
既に魔女の脅威は去り、夫婦で忙しくも充実した学園経営を営んでいた彼にとって、
他人と凌ぎを削ってまで叶えたい願いは無かった。
(・・・仮に願いがあったとしても、40歳を超え最近運動もろくにしてない自分では優勝は無理だろう)
などと思ってもいたため、ゲームに参加する気は全く無く、スコールを探しながらのんびり散歩をしていたのだった。
・・・そんな彼がさらに数分ほど歩いていたときの事だった。
300mほど先に二つの人影が見えてきたのだ。
「おや?誰かいるようですね」
ここからじゃ良く分からないが、どうやらその二つの人影は現在交戦中のようだ。
多少不安はありつつもシドは、その二人に歩を進めることにした。
・・・近眼であるシドはまだ気づいていなかった。
その二つの人影の内、ぶんぶん振り回される黒い物体をかわしながら間合いをとっている男こそ
自分の教え子、スコール・レオンハートであることに・・・。
【シド(FF8) 現在位置:アリアハン南の平原 所持品:ガンブレード 行動方針:スコールにガンブレードを渡す 願い:なし 】
【スコール 現在位置:アリアハン南の平原 所持品:スカウター 行動方針:ダーマ(略)を倒す 願い:リノアへ送る誕生日プレゼント】
【ダーマ神殿で昇天した勇者 現在位置:同上 所持品:スーパーファミコン用ACアダプター 行動方針:スコールを倒す 願い:?】
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